これは私が中学生の頃です。

朝練のために、朝早く登校した私の友達が、運悪く、学校の側の川(といってもほとんど用水路くらいの川幅しかないところですが)で自殺したおばあさんを見つけてしまったのです。

その日はもちろん大騒ぎになり、友達も警察で事情聴取を受けました。後から聞いた話では、そのおばあさんは長らく病気を患っており、それを苦にしての自殺だったらしいのですが、当時の私たちにはそのような汚いヘドロだらけの川で自殺するということが信じられず、あれは他殺に違いないと、いろいろ想像を巡らしては騒いでおりました。

当時流行っていたコックリさんに、自殺した方のことを聞いたりする子もいました。そのメンバーには私も入っていたのですが。

それから10日も経たないある夜のこと。

二段ベッドの上で寝ていた私は、夏でもないのにひどく寝苦しく感じて目を覚ましました。

するとそこには、天井いっぱいに広がる老婆の顔が……

その顔は怒りに満ち溢れていました。同時に金縛りにあい、私は声を出すことすらできませんでした。目を閉じても、気配は続いてました。

私はひたすら心の中で「ごめんなさい」と繰り返しました。

気が付くと、いつの間にか朝でした。眠ったのか気を失ったのか、記憶は定かではありません。

あれが亡くなった方からの警告だったのか、コックリさんの悪戯かはわかりませんが、その日から私がその話題に近づくことはありませんでした。