俺はF県Tの近くの海の監視員をしていた。


監視対象のプライベートビーチである砂浜の向こう側に 
切り立った崖と岩場がある。 
そこはよく飛び込み自殺があるらしい。 
自殺の名所と呼ばれるところの近くだから、 
そこでしくじって奴はこっちでやるらしい。 

そんなある日、きれいな水着のネーちゃん二人が 
その岩場に行こうとしていた。 
「そっちは危ないですよ。近寄らないでください。」 
そのネーちゃん達は「うるせーバカ!」と怒鳴り返す。 
俺は頭に来て無視した。 

その夜・・

ネーちゃん達の捜索願いが出されていた。 
俺だけだろうか。あの場所だと知っていたのは。 
同僚の男を連れてネーちゃん達が向かった岩場へ行った。 
ライトをつけて岩場を歩く。漆黒の海が怖い。 

同僚「おい!あれ見ろ!」 
弱々しく岩場にしがみついたネーちゃんの一人が見える。 
「・・・助けて・・・」と弱々しい声が聞こえる。 

俺は岩場に駆け寄ってネーちゃんの手を掴んだ。 
ネーちゃんはもう手だけしか見えない。 
その手を俺は思い切り引っ張りあげた。 

ギャーーーーーーーーー!!! 

同僚が叫んだ。俺はなんのことかわからなかった。 
でも引っ張りあげた女を間近で見ると・・・・ 
別の水死体だった。その死体の下半身はもうなかった。 

俺はその水死体を岸辺に上げた。見るも無残な状態だった。 
ネーちゃん達はいまだ見つかっていない。 
俺は監視員を辞めた。